日々、お子さんや大人の方から
- 「うちの子、どうしてこんなに疲れやすいんだろう…」
- 「大人になっても、原因不明の不調がずっと続いているんです」
といったご相談をいただきます。
こうしたお悩みを伺うとき、私が必ず確認する項目があります。
それが 「生まれた時の状況(Birth History)」 です。

「えっ、何十年も前のことが関係あるんですか?」
そんな反応をされる方も少なくありません。
しかしオステオパシーの視点では、出生時の状態はその人の
“身体のOS(基本設定)” のようなもの。
自律神経の働きに大きく関係しています。
今回の記事では、
出生時の体験が今の身体にどんな影響を残しているのか
を、できるだけわかりやすくお伝えします。
目次
- 出生と自律神経の意外な関係とは?
- なぜ「出生」は人生最初の大きなストレスなのか
- 出生時の“ねじれの記憶”が自律神経を乱す3つのルート
- こんな症状に心当たりはありませんか?
- オステオパシーだからできる「出生のリセット」
- まとめ ─ 過去は変えられないけれど、影響は変えられる
1.出生と自律神経の意外な関係とは?
多くの方は、今の不調の原因を
- 仕事や人間関係のストレス
- 生活リズムの乱れ
- スマホやPCの使いすぎ
といった「最近の出来事」に結びつけて考えます。
もちろん、それらも自律神経を乱す大きな要因です。
ですが、オステオパシーの視点では、
「もっと前、出生の瞬間からすでに“身体の設定”は始まっている」と考えます。

つまり、今の自律神経の状態は、
- お腹の中でどんな環境にいたのか
- どのように生まれてきたのか(出生のプロセス)
といった要素と、深く結びついているのです。
2.なぜ「出生」は人生最初の大きなストレスなのか
通常、赤ちゃんは狭い産道を通る際に、頭の骨を重ね合わせて小さくなり(モールディング)、強い圧力の中を通り抜けて生まれてきます。
そして 「オギャー!」と泣いた瞬間 の内圧で、
頭蓋がふわっと開き、脳や神経のスイッチが入る仕組みになっています。
この「圧迫 → 解放」のプロセスは、
- 頭蓋の形
- 首(頸椎)の並び
- 胸郭(肋骨)の動き
などに大きな影響を残します。
しかし、次のようなケースではこのプロセスがうまくいかないことがあります。
- 帝王切開
┗ 産道を通らないため、頭蓋が十分に“圧→解放”を経験できない - 吸引・鉗子分娩
┗ 頭や首に強い牽引力が加わる - 難産・長時間の陣痛
┗ 同じ姿勢・同じ圧迫を長く受け続ける - へその緒の首巻き
┗ 首周辺に不均等な圧力がかかる
これらがあると、身体には
「戻りきらない緊張」や「ねじれの記憶」
が残りやすくなるのです。
3.出生時の“ねじれの記憶”が自律神経を乱す3つのルート
出生時に生じた構造的な緊張が残り続けると、成長してからも
次の3つのルートで自律神経に影響します。
3-1.呼吸が浅くなるルート
出生時の圧力が胸郭に残ると、肺がしっかり広がりません。
すると脳が、
「酸素が足りないぞ!危険だ!」
と判断し、交感神経を常にオンにしてしまいます。
その結果、
- 疲れやすい
- 落ち着けない
- 集中力が続かない
といった不調につながります。
3-2.迷走神経の出口が圧迫されるルート
迷走神経は“ストレスを落ち着かせる神経”ですが、
その出口は後頭部(後頭骨と側頭骨の間)にあります。
吸引・鉗子・難産などでここにねじれが残ると、
- 寝つきが悪い
- 胃腸が弱い
- 不安感が強い
- 動悸が出やすい

といった、まさに自律神経の乱れそのものの症状が起きてきます。
3-3.脳脊髄液(CSF)のリズムが乱れるルート
オステオパシーでは、脳と脊髄を満たす「脳脊髄液」は、
ゆっくり波打つように流れていると考えます。
しかし、帝王切開や頭の形の左右差が強く残る場合、この流れが乱れ、
- 頭が重い
- 集中できない
- 感情の起伏が大きい

などの、いわゆる“脳疲労タイプ”の不調を生みやすくなります。
4.こんな症状に心当たりはありませんか?
これらは“性格の問題”や“体質”として片付けられがちですが、
出生時の身体の記憶が関係しているケースは非常に多いです。
【お子さんの場合】
- 夜泣き・寝つきの悪さ
- 落ち着きがない、じっとしていられない
- 風邪を引くとすぐ中耳炎になる
- 朝起きられない(起立性調節障害)
【大人の場合】
- 寝ても疲れが取れない
- 気圧の変化で頭痛が出やすい
- 慢性的な首肩こり・食いしばり
- 理由のない不安感や動悸
特に、
「頭の形がいびつだった」「逆子だった」「帝王切開だった」
という方は、身体の緊張が残りやすい傾向があります。
5.オステオパシーだからできる「出生のリセット」
「難産だった私は、もう治らないの…?」
そんな不安を持つ方もいますが、どうか心配しないでください。
オステオパシーの施術は、
身体に残っている“ねじれの記憶”を優しく解くこと
に長けています。
行うのは非常に繊細なアプローチで、
- 頭蓋骨(特に後頭骨・蝶形骨)の微細な調整
- 頸椎周囲のリリース(迷走神経の圧迫を解放)
- 背骨を包む“硬膜”の緊張をほどく
といった施術を通じて、
構造が整う → 神経の圧が抜ける → 本来の回復力が戻る
という流れを作ります。
何歳からでも変化は起こせますので、ご自身やお子さんの出生時のエピソードを、
「今の不調を読み解くヒント」として一度振り返ってみてください。
6.まとめ ─ 過去は変えられないけれど、影響は変えられる
出生時の状態は、今のあなたの健康を読み解くための
とても重要な“身体の地図”です。
過去の出来事そのものは変えられませんが、
その影響をリセットすることは今からでも十分に可能です。
- 原因のわからない不調が続いている
- お子さんの発達や体調が気になる
という場合は、出生時のエピソードもお聞かせいただきながら、
ぜひ一度ご相談ください。
整体サロンnaturaでは、
「生まれてから今までの歴史」を丁寧に紐解きながら、
根本からの回復をサポートいたします。




















