突発性難聴のあと、めまいが増えていませんか?
突発性難聴を経験したあと、なんとなくめまいが増えた、ふわふわした感じが続いている、そんな声を聞くことがあります。
先日いらっしゃった50代の女性も、まさにそうでした。半年前に突発性難聴になってから、めまいの頻度が上がり、常にふわふわとした浮遊感が続いていたそうです。
加えて息苦しさもあり、一年前のぎっくり腰の影響か、朝の体調も優れない。首から肩の凝りも気になっている、とのことでした。
耳鼻科での治療と並行して、整体では体の緊張という角度からもアプローチできることがあります。その一例として見ていただけると幸いです。
症状が出ている場所と、原因の場所は違うことがある
初回の施術で確認できたのは、頭蓋骨全体の緊張、特に眼窩まわりの骨の緊張でした。めまいという症状からすると、いかにも「原因はここ」と思ってしまいそうな場所です。
胸郭も硬く、息を吸ったままの状態で固まっていました。骨盤は後傾し、内臓も全体的に緊張している様子でした。

ところが2回目にいらっしゃったとき、めまいや息苦しさそのものには大きな変化がありませんでした。そのかわり、体を診ていく中で見えてきたのが、右の下腹部の強い緊張です。
実はこの下腹部の緊張、最初の問診では本人も特に気にしていなかった部分でした。施術中に触れていくうちに、「そういえば」と思い出されたのです。
この下腹部の緊張が頭を引っ張って頭蓋骨まで緊張していたのです。この下腹部の緊張が緩んでいくのに合わせて、頭から首にかけての緊張も少しずつ減っていきました。そして3回目には、めまいと息苦しさは消えていて、代わりに首・肩の凝りと腰の痛みが気になる、という状態に変わっていました。

振り返ると、今回のケースで一番の原因になっていたのは、症状が出ていた頭やめまいの感覚そのものではなく、離れた場所にあった下腹部の緊張でした。
自分では気づけない体のサインがある
このケースで印象的だったのは、下腹部の緊張がご本人にとって「思い出す」ものだったという点です。忘れていたわけではなく、日常の中で感覚が鈍くなっていて、意識にのぼっていなかったのだと思います。
体の不調は、痛みや違和感としてはっきり自覚できるものばかりではありません。慢性的な緊張は、あって当たり前になってしまうと、むしろ気づきにくくなります。
「特に気になるところはない」と思っている場所に、実は緊張が隠れていることは珍しくないのです。
緊張すると呼吸が浅くなる、ということ
今回、胸郭が「息を吸ったまま」固定されているような状態も見られました。これは、体が緊張すると呼吸が浅くなったり、止まりやすくなったりすることの一例です。
息を吸ったままの状態が続くと、呼吸そのものがしづらくなり、それが息苦しさや、場合によってはパニックのような感覚につながることがあります
。緊張しているときほど、意識的に「吐く」ことを意識してみるのは、シンプルですが助けになることがあります。

1回で分かるとは限らない
今回のケースは、3回の施術を通して見えてきたものでした。1回目では分からなかった下腹部の緊張が、2回目で見えてきて、3回目で主訴の消失という結果につながっています。
体の緊張は、いくつもの場所が連動して起きていることが多く、1回の施術だけですべてが分かるとは限りません。数回かけて全体像が見えてくることは、決して珍しいことではないのです。
めまいや息苦しさといった症状に長く悩まれている方は、症状の出ている場所だけでなく、体全体の緊張のつながりを見てみることで、これまで気づかなかった原因が見えてくるかもしれません。




















