家事こそ自律神経を整える最高の“運動”
― 股関節を使う生活があなたの身体を整えてくれる ―
「自律神経を整えるには何をしたらいいですか?」
と質問を受けることがよくあります。
多くの方は、
“運動=特別なエクササイズ”
“ジムへ行く・ランニングをする”
といった“専用の運動時間”を想像しがちです。
しかし私たちは、いつもこうお伝えしています。
本当に自律神経を整えるのは、特別な運動ではなく “日常生活の動き” です。

特に――
股関節を使う家事は、自律神経にとって最高の運動になります。
■ なぜ股関節を使うと自律神経が整うのか?
股関節は、ただ足を動かすための関節ではありません。身体の中心(体幹)と下半身をつなぐ“要”であり、
- 姿勢
- バランス
- 血流
- 骨盤の動き
- 内臓の働き
これらすべてと密接に関わっています。
そして、股関節の動きは自律神経の働きと深い関わりがあります。
股関節が硬すぎたり、逆に柔らかすぎて固定力が弱いと、骨盤や背骨の動きが乱れ、呼吸・血流・迷走神経の働きに影響が出ます。
結果として、
- 動悸
- めまい
- 腰痛
- 姿勢の崩れ
- 呼吸の浅さ
- 疲労感
こういった“自律神経症状”が出やすくなるのです。
■ 現代人は股関節を使わなくなっている
実は、現代の生活は股関節をほとんど使わなくてもできる生活になっています。
- 椅子とソファ中心の暮らし
- 洋式トイレ
- 高いキッチン台
- ロボット掃除機
- 布団を敷く必要もないベッド生活
これらは便利ですが、股関節を大きく使う機会を奪いました。

一方で、ひと昔前の日本では、
- 布団を敷く・上げる
- 床の雑巾がけ
- しゃがんで料理の準備
- 和式トイレ
- 床座りの生活
日常の中に常に「股関節を深く使う動き」がありました。
だから昔の人は、自然と股関節が動き、結果として自律神経が整いやすかった
とも言えます。
■ 自律神経を整える“股関節を使う家事”一覧
ここからは、現代でもできる股関節を使う動作を紹介します。
どれも運動として優秀で、しかも生活の中に自然に取り入れられます。
✔ 床拭き(雑巾がけ・モップがけ)
前後・左右の動きで股関節+体幹が働く。
✔ しゃがんで物を取る
屈むのではなく“しゃがむ”のがポイント。
✔ 洗濯物をかごから取り出す → 干す
スクワット動作+体のひねりで骨盤が活性化。
✔ お風呂掃除
前傾姿勢と左右のひねりが入り、全身を使う。
✔ 庭の草取り・掃除
しゃがみ動作と体幹のバランスが自然と鍛えられる。
✔ 布団を敷く・上げる(可能なら)
股関節・体幹・全身連動の理想的な動き。
✔ 子どもを抱き上げる
股関節が正しく使えていないと腰で持ち上げてしまい痛める。
正しい股関節運動の練習に。
■ 買い物の荷物を「積極的に持つ」のも実はトレーニング
現代人は“重いものを避ける”習慣が強いですが、
実は荷物を持つことも、とても良い運動です。

ポイントは、手で持つのではなく「体幹」で支える意識と左右どちらかに偏らないようにすること。
荷物を持つことで、
- 体幹
- 腹圧
- 骨盤の安定性
- 呼吸の深さ
これらが自然と鍛えられ、自律神経の安定につながります。
■ 特別な運動は続かない。でも日常生活なら“勝手に続く”
運動を習慣化するうえで最大の壁は、
- 忙しい
- 天気
- やる気
- 時間がない
これらに左右されることです。
しかし、家事や日常動作は、必ず毎日発生する「運動」 です。

これは、
- 時間を取らなくてもいい
- 天気に左右されない
- やる気に関係ない
- 無理なく続けられる
という最強のメリットがあります。
■ まとめ
【日常生活=最高の自律神経トレーニング】
- 家事は股関節を大きく使う最高の運動
- 股関節の動きは自律神経の働きと直結
- 現代生活では股関節を使う機会が激減
- 昔の生活の方が自然に自律神経が整いやすかった
- 荷物を持つ・しゃがむ・床掃除はすべて自律神経に良い
- “特別な運動”より“日常の動き”のほうが圧倒的に継続しやすい
👉 だからこそ、自律神経を整える第一歩は「生活動作の見直し」です。
整体サロンnaturaでは、
患者さんの生活・仕事・体の状態に合わせて、
「どの動作をどう変えれば自律神経が整うのか」を丁寧にお伝えしています。




















